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case22  遊牧民の手織物  キリム

キリムとは、トルコ語で平織りをいいます。もともとは遊牧民がテントの中に敷いたり装飾したりする為のもので、 パイル織りの絨毯と比べ平織りのキリムは移動する彼らにとってコンパクトにたため、運搬に最適な生活必需品でした。敷物以外にも穀物を入れる袋(チュワル)や、ロバや馬の背に乗せて使う運搬用のバッグ(ヘイベ)や、 ゆりかごまでもキリムで作っていました。
キリムの歴史は古く、紀元前6世紀頃と言われています。 キリムは遊牧民にとって実用品でありましたが、富の象徴でもあり貴重な財産のひとつでした。 その昔は、婚礼の際の持参金代わりにもなっていたそうです。女の子はまだ指の細い10歳頃から母親に機織りを習い始めるそうです。特にきちんとした図案などはありませんが、母から娘へと長い間受け継がれてきています。



キリムの種類
ニューキリム
現在、商業用おもに輸出用に作られているキリムです。お値段もお手頃で、いまの生活スタイルに合わせたちょうどいいサイズが見つかりやすいのも魅力です。
オールドキリム
約30年から100年前までに作られたキリムで、殆どが家庭用としておられているためUSEDですが、中には未使用状態の物もあります。
アンティークキリム
100年以上経った物はアンティークと呼ばれ、コレクションピースと呼ばれる物は大体がアンティークですが、現在わずかしか市場に出回っていません。

キリムの産地
北アフリカから西アジア、中央アジアまで広範囲にわたってキリムの産地はありますが、現在はトルコ、イラン、アフガニスタンなどが有名です。
遥か昔、広大な土地で移動しながら生活をしていた遊牧民は、それぞれの部族や地域によって特徴のあるキリムを作ってきました。中でも色柄の多彩さと、完成度の高さでは、トルコのキリムが群を抜いているといわれています。


キリムのモチーフ
キリムに見られる幾何学的なモチーフには、それぞれ意味があります。
偶然崇拝を好まないイスラムの教えからか、身近にある物や生き物、自然をモチーフにし、幸福や豊穣の願いをキリムに織込んでいます。
ミフラーブ
イスラム寺院のデザイン。屋根になる方をメッカに向けて敷きお祈りします。
エリベリンデ
女性が腰に手をおいたモチーフ。 豊穣、多産の願いが込められています。
羊の角
遊牧民にとって羊は財産そのもの。 力を意味し、繁栄や豊穣を願います。
狼の口
家畜が狼に狙われないようにとの願いと、邪視から身を守る意味もあります。
生命の木
不滅の繁栄や永遠の命を表します。

キリムのメンテナンス
基本的にドライクリーニングがおすすめです。
室内で靴を脱いだ状態でのご使用であれば汚れのほとんどが油性なので、ウール用洗剤での水洗いも可能ですが、縮み・ゆがみ・染色のにじみ等がでてしまう場合もありますので、クリーニング店に出されることをおすすめします。
良いキリムは長く使い込まれて風合いが出てくると、何ともいえない味わいがあり、昔の遊牧民たちが実用的だから作っていただけでなく、大切な財産のひとつとしていた理由が良くわかります。



キリムを使ったインテリア
グリーンとの相性がいいんラグ
1960年ごろにトルコ・アナトリアで作られたオールドキリム。やや小さめサイズですが、はっきりとした色柄でさっと敷くだけで、お部屋にアクセントをつけることができます。グリーンとの相性もいいので、観葉植物やサボテンと一緒に見せるのもおすすめです。
玄関にちょうどいいサイズ
30年〜100年前にトルコ・アナトリアで作られたオールドキリム。86×57cmと小さなラグなので、玄関にもピッタリです。状態もとても良く、長年かけて自分の味を出していくのが楽しみなラグです。きれいな柄の配置です。
キッチンに長めのキリムを敷いて
RUG 275×63cm (品番:6295)
151,200円(税込)
1960年頃にトルコ バルーチで作られたオールドキリム。 厚くてガッチリとした織りで、濃色が多く頑丈なので床敷に適しています。細長くランナーと呼ばれてますので、廊下もしくは大きなテーブルのランナーなどとしてお使いいただけます。また、タペストリーとしても最適です。 落ち着いた色合いと細かな柄で、一枚さっと敷くだけで空間がしまるようなキリムです。
リビングでも子供部屋でも
1940年頃にトルコ マラティヤで作られたオールドキリム。オールドやアンティークのキリムの名品が作られた産地でもあります。 マラティヤは綺麗な織りで渋めの色が多く、和のインテリアにも合うキリムです。 セッチャーデと呼ばれるサイズで、とても人気のあるサイズです。 リビング、ダイニングに、子供部屋にも。お部屋のイメージチェンジなどにも最適です。
薄いので出したり仕舞ったりも楽々
1960年ごろにトルコ・シャルキョイで作られた薄手のオールドキリム。トルコキリムの産地は殆どアジアサイドにありますが、珍しくシャルキョイはヨーロッパサイドにあります。 そのせいか色柄がヨーロピアンな物が多いのが特徴。 細い糸を使っており、裏表リバーシブルでどちらも使える様な織りになっています。 チェイレクと呼ばれる比較的小さなサイズで、シンプルなデザインとブラウン系のカラーがどんなお部屋にも馴染みます。
床に敷くだけでなく、棚上でも
30年〜100年前にトルコ・中央アナトリアで作られたオールドキリム。トルコ語でヤストクと呼ばれ、元々は袋状やピローとして使われていたようです。なので、表だけ日に当たり裏面と色が少し異なります。小さめサイズなので玄関マットにもピッタリなのですが、棚上にランナーっぽく敷いて、自分の好きなアイテムを並べて楽しむのもおすすめです。褪せた色がとても魅力的なキリムです。